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【駐車場管理者向け】月極駐車場を閉鎖するには?必要な手順や注意点を解説

月極駐車場を経営している土地オーナーは、別の方法での土地活用を図ったり、土地を売却したりする際、駐車場を閉鎖しなければなりません。

利用者(借主)との間で交わした賃貸借契約に従って手続きを進めたとしても、解約申し入れ時には利用者から「契約期間中なのに、なぜ」と困惑する声が上がる可能性があります。苦情や立ち退き拒否といったトラブルが起こらないよう、うまく閉鎖するにはどうすればよいでしょうか。

この記事では、月極駐車場のオーナーや管理会社の方に向けて、スムーズに月極駐車場を閉鎖するための手続きと注意点について解説します。

知っておきたい駐車場賃貸借契約の特徴

通常、月極駐車場の賃貸借契約には、貸主・借主(利用者)双方の意思で解約できる旨の条項があります。ここでは、この取り決めの適法性と駐車場賃貸借契約の特徴について解説します。

月極駐車場には借地借家法が適用されない

建物の賃貸借や建物の所有を目的とする土地の賃貸借は、借地借家法の対象です。借地借家法は賃借人を強く保護する内容となっており、貸主からの解約申し入れには「正当な理由(事由)」が必要です。

同法でいう正当な理由とは、「貸主・借主の双方が土地や建物を必要とする事情」「賃貸借に関する今までの経過」「土地・建物の利用状況」「土地・建物の現況」「立退料の支払い」の5項目です。このため、建物や、建物の所有を目的とする土地の場合は、貸主から解約を申し入れる難易度は高いといえます。(出所:借地借家法第28条)

しかし、月極駐車場は、建物の所有を目的としない土地の賃貸借であるため、借地借家法が適用されません。借地借家法は、借地権および建物の賃貸借契約などに関して定められた民法の特別法で、民法に優先して適用されます。借地借家法の適用対象外である月極駐車場の賃貸借契約は、民法に定める契約に関する条項に従うことになります。

「従う」とはいえ、民法には「契約自由の原則」があり、公序良俗に反する法律行為を無効とする民法第90条などの強行規定に反しない限り、契約の内容は自由です。さらに、賃貸借の解約について定められた民法617条・618条が任意規定であるため、解約に関する個別の契約内容は民法に優先して適用されます。

したがって、駐車場に関しては、公序良俗に反しない限り、契約内容は有効であり、貸主からの解約申し入れを可能とする条項は法的に問題ありません。

出所:民法 借地借家法

月極駐車場の閉鎖に正当な理由は必要ない

少ない初期費用で始められ、撤退も容易な土地活用として、土地のオーナーが遊休地を暫定的に月極駐車場とするケースはよく見られます。

月極駐車場の賃貸借契約書には、土地の売却やアパートの建築などがオーナーの意思で自由に行なえるよう、駐車場閉鎖の可能性を織り込んだ条文を入れることが一般的です。

いつでも貸主から中途解約の申し入れができる条項や、借地借家法の適用対象だと利用者に主張されないために、建物の建築を禁じる条項などが該当します。

中途解約に関する条文は、例えば以下のようなものです。

「甲(賃貸人)乙(賃借人)は、いずれか一方から本契約の解約を申し入れることができる。ただし、解約希望日の〇カ月以上前に相手方に対して書面で通知しなければならない。」

月極駐車場には借地借家法が適用されないため、貸主からの解約申し入れには、同法でいう「正当な理由」は不要です。もし利用者から理由を求められても、応じる義務はありません。

同様に、立退料は、貸主から申し入れた解約の正当な理由を補完するために給付する金銭であり、借地借家法が適用されない駐車場の解約にあたっては、利用者に立退料を要求されても貸主に支払う義務はありません。

月極駐車場を閉鎖するなら「解約通知」を出そう

月極駐車場を閉鎖するには、現在の利用者との契約を終了させなければなりません。具体的には、各利用者に解約通知を出すことから始めます。

解約通知とは

先の例のように、月極駐車場の賃貸借契約には、通常、解約に先立ってその旨を通知する規定があるはずです。また、自分の意思を確実に相手方に伝えるために、多くの場合「解約の申し入れは書面で行なう」と契約書に明記されています。

月極駐車場を閉鎖すると決めたら、あらためて賃貸借契約書の内容を確認しましょう。続いて、契約書の条文に沿って解約日と通知日を決定し、解約通知を作成します。解約通知に決まった書式はありません。

解約通知を送る方法としては、内容証明郵便の利用が推奨されます。内容証明は一般書留に追加できるオプションで、いつ・誰が・誰に対して・どのような文面の手紙を送ったかを、郵便局が証明してくれる制度です。

内容証明郵便は、一般の手紙とは比較にならないほどの裁判上の証拠能力がある点で優れています。また、文書の記載事項に対する差出人の本気度が受け取った側に伝わるという心理的効果があるともいわれます。

解約通知に含むべき内容

内容証明郵便を利用するには、郵便の内容物である文書とは別に、郵便局の控えと発信者の控えを各1部、合計3部の同じ文書を作成することが必要です。控えは謄本と呼ばれ、1枚に書ける行数と1行の文字数に決まりがあります。

内容証明郵便には内容証明対象となる文書以外を封入できないため、敷金返還用の口座番号を届け出る書類などを渡したい場合は、解約通知とは別便で送ります。

解約通知に盛り込む内容はおおむね以下のとおりです。内容証明郵便には時候の挨拶などは不要です。必要な情報だけを簡潔に記載しましょう。

  • タイトル(「解約通知書」など)
  • 主旨(解約の通知であること)
  • 契約書上の該当条項
  • 契約内容(締結日、物件名、所在地、契約者の氏名または名称・住所・連絡先)
  • 解約日
  • 解約通知日
  • 解約理由(法定の「正当な理由」ではなく、事情を説明する主旨。なくても可)
  • 差出人住所・氏名
  • 受取人住所・氏名

内容証明郵便の要件として、文書内に差出人と受取人の住所・氏名の記載が必要です。

内容証明郵便の利用ルールについては、日本郵便株式会社のホームページを参考にしてください。

参考:日本郵便株式会社「内容証明」
「内容証明 ご利用の条件等」
「オプションサービスのQ&A 受取方法から調べる」

月極駐車場の閉鎖でよくあるトラブル

貸主から一方的に解約ができると契約書に記載されていても、解約を拒否する方や立退料を要求する方が現れる可能性はあります。

借主は契約書の内容を承知したうえで駐車場を借りていたはずなので、そのような場合には、該当する契約書の条項を示して、解約に応じるよう説得します。

駐車場の閉鎖で最も解決が難しいトラブルは、解約日を過ぎても駐車し続ける無断駐車でしょう。私有地内の無断駐車は道路交通法上の違法駐車に該当しないため、法律に基づく車両の移動ができません。

駐車場オーナー自らが車両を移動させる「自力救済行為」は違法です。

そのため、無断駐車されている車両には手の出しようがなく、最終的には土地の明け渡し請求訴訟を起こすしかありません。しかし、貸主にとって訴訟提起の負担は重いため、無断駐車に至らないよう、苦情の段階で交渉によって問題を解決したいものです。

問題なく月極駐車場を閉鎖するには?

トラブルを避けて、気持ち良く駐車場を閉鎖するためにはどうすれば良いか、押さえておきたいポイントを解説します。

解約通知は可能な限り早く出す

月極駐車場の閉鎖が利用者にとって負担になることは事実です。そのうえ、新しい駐車場を探す期間が短いとなると、利用者の気持ちに余裕がなくなり、苦情の申し立てや解約の拒否につながりやすくなります。

それを避けるため、契約書で「解約の1カ月以上前に通知する」と定めていたとしても、なるべく早く解約通知を送付するとよいでしょう。通知を早める配慮は利用者の心証を良くします。遅くとも解約の2~3カ月ほど前には通知しましょう。

利用者の状況に応じて柔軟に対応する

月極駐車場は賃借料を日割り計算しない場合が大半ですが、契約書に記載がない場合でも解約月の賃借料を日割り計算するなどの配慮を見せると、利用者が好意的になるかもしれません。

代わりの駐車場が見つからないと相談してくる利用者には、解約日の調整や駐車場の紹介といった寄り添った対応をすることによって、トラブルを回避しやすくなるはずです。

利用者間の公平に気を配りつつ状況に応じて柔軟に対応し、利用者全員の解約を無事に終わらせましょう。

まとめ

新たな土地活用のため月極駐車場を閉鎖することを決めたら、利用者に対して早めに解約通知を発送する必要があります。

解約を拒否する利用者には、まず、駐車場の賃貸借は借地借家法の適用対象外であり、貸主からの解約申し入れが契約に基づいたものであることを伝えましょう。

契約書の内容に沿った正しい手続きと、利用者の立場に立った柔軟な対応でトラブルを回避し、スムーズに駐車場を閉鎖してください。

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