PHEV・EV車を自宅充電するメリット・デメリットとは?工事の流れ・注意点も解説
2024.12.01
PHEV・EV車を購入する場合、併せて自宅充電設備の設置を検討する方も多いことでしょう。自宅でいつでも充電可能な状態にしておくことで、外出の手間を省け、時間を有効に活用できます。
ただし、自宅環境によって工事の規模が変わります。場合によっては相場よりも費用が多くかかる可能性があるため、事前の打ち合わせが肝心です。
この記事では、PHEV・EV車を自宅充電する方法から、自宅充電するメリット・デメリット、工事の流れ、注意点まで解説します。
PHEV・EV車の自宅充電設備は3タイプある
まずは、PHEV・EV車の自宅充電設備の概要やタイプを見ていきましょう。
前提として、PHEVはプラグインハイブリッド(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)と呼ばれる車で、充電ができるハイブリッド(HV、Hybrid Vehicle)車のことです。ガソリンと電気を燃料にし、一定の距離までは電気だけで走行できます。充電が切れたときなど、走行中にガソリンに切り替えることも可能です。
ちなみに、PHEVとPHVはメーカーによる呼称の違いで、いずれもプラグインハイブリッドであることに変わりはありません。
一方、EV(Electric Vehicle)車は電気自動車のことで、電気のみを燃料にしています。
PHEV・EV車の自宅充電は200Vが主流
PHEV・EV車を自宅充電する際は、100Vのコンセントではなく、200Vのコンセントを使うのが一般的です。電力の低い100Vでは、充電に時間がかかり過ぎてしまい不便なためです。
充電の方式は、「普通充電」と「急速充電」の2つがあり、基本的に自宅に設置するのは普通充電のほうになるでしょう。
急速充電は、高速道路のサービスエリアまたは商業施設などに設置されている高出力の充電設備です。短時間での充電が可能ですが、導入コストの高さやスペース確保などの問題から、自宅への設置ハードルは高めです。
普通充電は、急速充電に比べて出力が落ちるため、長時間駐車しながら充電します。
PHEV・EV車の3つの自宅充電設備
PHEV・EV車の自宅充電設備の種類は大きく、「壁面取り付けタイプ」「スタンドタイプ」「V2H機器」の3タイプに分けられます。
主流は、壁面取り付けタイプです。なかでも、最も手軽でスペースを取らず、工事費用も安価に済むのは、壁に充電用コンセントを設置する方法です。
ただし、自宅に充電用コンセントを設置するためには、基本的に戸建て住宅であることが前提となります。詳しくは後述しますが、集合住宅では、さまざまな調整が必要になってくるでしょう。
また、壁面取り付けタイプは、建物と駐車場との距離が近いときの選択肢です。距離が離れていて壁面への取り付けが難しい場合には、自宅設置用のスタンドタイプなどを検討することになるでしょう。
PHEV・EV車を自宅充電するメリット・デメリット
続いて、PHEV・EV車を自宅充電する際のメリット・デメリットを解説します。自分にとって、自宅充電をするメリット・デメリットのどちらが大きいかは、車の利用頻度や目的、ライフスタイルによって変わってきます。
メリット
PHEV・EV車を自宅充電することには、おもに次のメリットがあります。
まず、自宅に充電設備が備わっていれば、公共の充電設備がある場所まで移動する手間を省けます。順番待ちも発生しません。自分の都合に合わせて、好きなタイミングで、必要なだけ充電可能です。
また、深夜電力で充電することで、割引が適用されるケースもあります。深夜電力とは、電気使用量が少ない深夜の時間帯に限って、電力を安く利用できる契約プランのことで、うまく使えば光熱費を節約できます。
デメリット
PHEV・EV車を自宅充電する際のデメリットも知っておきましょう。
まず、自宅の設備では普通充電が一般的なため、急速充電に比べて多くの時間を要します。車種(バッテリー容量)によって異なりますが、満充電には、約6時間から半日程度かかります。
ただし、日中は仕事に出かけていて、帰宅後に自宅の駐車場で夜間に充電しておくライフスタイルであれば、充電時間の長さはさほど不便に感じないでしょう。
また、通勤や買い物など、近場への日常的な使い方がメインであれば、エアコンなどの使い方にもよりますが、1回の充電で数日は持つはずです。
加えて、自宅に専用のコンセントがない場合には、電気工事が必要となります。費用については、設置場所などによって幅がありますが、4~12万円程度が目安です。
【4ステップ】自宅充電設備の工事の流れ
ここからは、PHEV・EV車の自宅充電設備を設置する際の工事の流れを、4つのステップに分けて紹介します。おおまかな流れを押さえておくことで、設置工事をスムーズに進められるでしょう。
ステップ1.工事業者へ依頼する
最初に行なうべきは、業者への依頼です。充電設備の設置工事は、専門の資格を持つ業者へ依頼しなければなりません。
施工業者を選ぶ際には、これまでの実績や費用目安を事前にチェックしておくことが大切です。特に、充電設備の施工経験が豊富かどうかに注目しましょう。
車を購入したディーラーに、提携している業者がいないか聞いてみてもよいでしょう。
ステップ2.現地調査に立ち会う
次に、工事にかかる費用の見積りをお願いするために、工事を実際に行なう前に業者に現地調査してもらいます。
具体的には、駐車スペースと分電盤(ブレーカー)の位置関係を確認してコンセントの設置場所を決めたり、ケーブルの敷設ルートをチェックしたりします。100Vから200Vへ変更する場合には、追加工事が必要です。
要望があれば、このときに業者にしっかりと伝えておきましょう。
ステップ3.工事に立ち会う
見積りを確認後、工事内容や費用に問題なければ契約を結んで、工事の日取りを決めます。
工事は、標準的な作業内容でも、数時間から半日程度かかります。隣の家と距離が近く、工事音が響きそうな場合には、前もって挨拶しておくなど、十分に配慮しましょう。
最後に、充電器の動作確認を行ない、実際にPHEV・EV車に充電できることを確認して、工事完了となります。
仕上がりについて気になる点や使用上の不明点があれば、その場で確認しておきましょう。
ステップ4.工事費用を支払う
工事を終えたら、費用を現金もしくは銀行振り込みで支払います。
施工業者によっては、アフター点検サポートなどが付いており、1カ月後や1年後に、充電器が正常に動いているかなどの点検を受けられるケースがあります。
PHEV・EV車の自宅充電設備を設置する際の注意点
最後に、PHEV・EV車の自宅充電設備を設置するうえで、把握しておきたい注意点をお伝えします。
設置工事は有資格者しか行なえない
まず、自宅充電設備の設置工事は、「第二種電気工事士」以上の資格を有している専門家しか実施できません。電気工事は、感電事故などの危険をともなうためです。また、工事に欠陥があると、漏電による火災などにもつながりかねません。
有資格者でない方が、DIYなどで自身で工事することは不可です。必ず専門の業者へ依頼しなければならないことを覚えておきましょう。
自宅の環境に応じて工事の規模が変わる
充電設備の工事を行なう際、自宅の環境に応じて工事の規模が変わります。充電位置と建物の距離が離れていて壁面取り付けができないなど、場合によっては相場よりも多くの費用がかかる可能性もあります。
前述のとおり、そもそも自宅充電の工事の対象は、基本的に戸建て住宅です。集合住宅の駐車場や月極駐車場の場合、管理会社やほかの居住者、利用者などから事前に工事とその費用負担の承認を得なければなりません。
戸建て以外では、自宅充電の工事は諦めて、近隣の充電スポットを利用したり、充電設備付きの月極駐車場と契約したりしたほうが良いケースも少なくありません。
PHEV車は充電なしで、ガソリンだけでも走行自体は可能です。ただし、燃費を考慮すると、定期的に充電することが望ましいといえます。
まとめ
自宅充電設備があれば、PHEV・EV車の充電をするために外出する手間を省けます。ただし、マンションでは導入のハードルが高く、また戸建て住宅であっても、自宅環境によっては、工事代が高くついてしまう可能性があります。
場合によっては、近隣の充電スポットを利用するほうが、経済的かもしれません。
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